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       femme fatal
One

黄昏になびく髪の毛に
指を通して目を塞いだ
寂し気に浮かぶ黄色い月
これからの二人を見ていた

街灯の下で そっと待ち合わせした
つかんだその手は冷たいけど 優しさ あふれていたよ

古びた橋を越えて 知らない路地 抜けて
わずかな荷物を持って 深夜バスに乗りこむ
行く先の無い二人の旅

友達に会えなくてもいい
家にはもう二度と戻らない

履きつぶしたバッシュ 底が破れるくらい
北風の中で声をあげて 一緒に走っていたね

冷たい街の牙に 幼さは傷ついて
静かにこぼす涙 落ちる場所を知らない
その優しさに出逢うまでは

ふくらんだ胸に怯えながら あふれる想い信じて

古びた橋を越えて 知らない路地 抜けて
冷たい街の牙に 壊されそうになっても
離したくない このときめき

つないだ指先から伝わる あたたかさ
誰とも換えられない大切な鼓動
不器用なくらい 愛して行く




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