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       音のない一葉
Sweet Sweet

静かなざわめきが覆う街並みは
見えない力に押しやられてるみたい
芝生に寝転んで青い空を見れば
星座をさがして祈った頃が降ってくる

今 キミの瞳にうつる僕は
僕が夢に描いてた姿なのかな
うつむいた心をうつす僕に
キミはとても悲しそうに微笑んでいる

打ち水をあびた径を歩いてごまかした
時間を足で汚すように
孤独を靴で潰すように
夏の人々は参道にあふれでて
路上の歌 さがしてさまよう

カエルの解剖をやらされた6限
どういう意味かもよくわからないくせに
開いた胸の奥 ちいさな心臓が
だけどね 動いてた 「生きてるよ」って言ってた

まだキミと知り合う前の僕を
僕はたぶん愛せずに憎みつづけた
今だって知らない 愛してるかは
だけどキミはやさしそうに微笑んでいる

ラッシュのなかで外をながめて泣いていた
誰にも気づかれないように
自分をごまかさないように
冬の人々はマフラーをまきつけて
さびしそうな目をしてはにかむ

もうすぐ、
みんなの好きな春がここにもやってくる
誰もがコートを脱ぎ捨てて
野原に花が息づくけど
冬に残りたかった思い出たちは
とけて消えてゆくだけ…ゆくだけ


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