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       日本文学選集
白痴

金釘錆びた
ガードレールひしゃげた
戻れない道を
呑気なツラして
ここまで歩いてきた

何を得たのか
誰を得たのか
むすんだ手のひら開いてごらん
何もねえじゃねえか
「希望」というライムだけが
空気の色して漂ってる
それでもいいか
本人がいいっていうなら

ご苦労さん
もう帰っていいよ
お前ここで何年になるよ
食べることだけ一人前だな

イェイ神様
あんたには何度も貶められた
救ってくれたこともあったっけか
実際すごいよ ホント
あんたに比べて俺は無力すぎです
でもちょっとだけ
ほんのひとつだけ優れてることがあるんだ
昔の本に書かれてたんだけど
神様
あんたが俺より劣ってることは
ただひとつ
自滅できないこと

たるんできたね
息切れするのも多くなったね
星の輝きとか見ることできなくなったね
いつからだろ
わかんないけど
大事にしてきた刀は錆びちゃいまして
同調圧力の強さに押しつぶれて
今じゃ見る影さえありゃしない

博打を打って
白痴んなって
吐く血が増えて
パクチー食べて
爆心地までの
驀進街道
爆死んなるまで
馬鹿騒ぎ

白痴んなって
空騒ぎ
白痴んなって
胸騒ぎ

ふざけんなって



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