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       音のない一葉
Heavenly Lane

長い髪を風に流しながら
僕の大好きな足と爪先で
白い砂や小さな貝がらや
海に浮かぶ海藻を踏んでいた 永遠の浜辺で
まるで永遠に選ばれたみたいに

heavenly laneを歩いて
夏はもうすぐ終わりをむかえる
白昼夢にうなされて
蜃気楼にうなされて
僕はときどき駄目になる
肩に頬を寄せるキミの
その優しさを忘れるくらいに
どうしようもないくらい
夏の海の輝きに
僕は瞳を奪われる

キミの指に夏が残るように
僕の愛情がちゃんと残るように
次の夏は一緒にいられない
それはたぶん確実に逆らえない 潮流のなかで
燃え尽きる炎は二度と燃え上がらない

罪の無い笑顔を見つめて
瞳の奥に涙を見つける
夢のようなロマンスは
僕のために汚されて
だけど二人は揺れあって
やがて頬を寄せるキミの
その愛情を裏切るみたいに
痩せた僕の指先は
キミの頬に触れながら
溢れる涙を拭い去る

heavenly laneを歩いて
一人になって真夏をむかえる
夢のような毎日は
白昼夢に汚されて
僕は静かに砂になる







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